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投稿日: 2026-03-31 / 投稿者: 管理者 / タグ: Windows, Ubuntu, デュアルブート, 環境構築

Windows & Ubuntu デュアルブート構築ガイド

投稿日: 2026-03-31 | カテゴリ: 環境構築

開発環境を作る際、Windowsの利便性とLinux(Ubuntu)の強力な開発ツールの両方が欲しい時がありますよね。WSL2も便利ですが、ハードウェアの性能をフルに引き出したい場合や、ネイティブなLinux環境が必要な場合は、デュアルブートが最も確実な選択肢になります。

この記事では、WindowsがインストールされたPCにUbuntuを追加でインストールし、デュアルブート環境を構築する手順を解説します。

⚠️ 警告: パーティションの操作を伴うため、操作を誤るとWindowsのデータが消える可能性があります。必ず事前に重要なデータのバックアップを取ってから自己責任で実行してください。

Step 1: 事前準備(Windows側での作業)

  1. データのバックアップ: 外付けHDDやクラウドストレージなどに、消えては困るデータを退避させます。
  2. 高速スタートアップの無効化:
    • コントロールパネル > 電源オプション > 「電源ボタンの動作を選択する」
    • 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックし、「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外して保存します。
  3. Ubuntu用パーティションの確保:
    • Windowsのスタートボタンを右クリックし、「ディスクの管理」を開きます。
    • 空き容量のあるドライブ(通常はCドライブ)を右クリックし、「ボリュームの縮小」を選択します。
    • Ubuntu用に確保したいサイズ(最低でも50GB=51200MB以上を推奨)を指定して「縮小」を実行します。ここでできた「未割り当て」の領域にUbuntuをインストールします。

Step 2: インストールメディア(USB)の作成

  1. Ubuntuの公式サイトから、インストールしたいバージョン(例: 22.04 LTS)のISOイメージファイルをダウンロードします。
  2. 4GB以上の空のUSBメモリを用意します。
  3. 「Rufus」や「balenaEtcher」などの書き込みソフトを使用して、ダウンロードしたISOイメージをUSBメモリに書き込み、起動可能なインストールメディアを作成します。

Step 3: Ubuntuのインストール

  1. 作成したUSBメモリをPCに挿したまま再起動します。
  2. PCの起動時(メーカーロゴ画面)に特定のキー(F2, F12, Delなど、メーカーによって異なります)を連打してBIOS/UEFI設定画面を開きます。
  3. Bootメニューから、USBメモリの優先順位を一番上に変更して保存・再起動します。
  4. GNU GRUB画面が表示されたら「Try or Install Ubuntu」を選択します。
  5. Ubuntuのインストーラーが起動したら、「Ubuntuをインストール」を選択します。
  6. キーボードレイアウトやWi-Fiの設定を進めます。
  7. インストールの種類(最重要):
    • 「Windows Boot Managerとは別にインストール」という選択肢が出た場合は、これを選ぶのが一番簡単です。
    • 出ない場合、または手動で設定したい場合は「それ以外」を選択します。Step 1で作った「空き領域(未割り当て)」を選択して「+」を押し、マウントポイントを /(ルート)、利用方法を「ext4ジャーナリングファイルシステム」にしてパーティションを作成します。
  8. あとは画面の指示に従ってタイムゾーンやユーザー名、パスワードを設定し、インストールが完了するのを待ちます。

Step 4: インストール完了後

インストールが完了して再起動を促されたら、USBメモリを抜いてからEnterキーを押します。
次回の起動時からは、黒い画面(GRUBブートローダー)が表示され、Ubuntuを起動するかWindowsを起動するかを矢印キーで選択できるようになります。

無事にUbuntuが起動したら、コマンドページにまとめたセットアップ手順に沿って、環境を整えていきましょう!

Step 5: 最初にやるべき「インストール直後チェック」

Ubuntuが起動できたら、まずは「ちゃんと2つのOSが起動できる状態か」を確認し、次に更新・ドライバ・時刻の3点を整えます。ここを先に固めておくと、後から起きるトラブルの確率が下がります。

  • ブート確認: 再起動してGRUBからWindowsも起動できるか確認(動くことを先に保証する)
  • 更新: Ubuntuのパッケージを最新化(初回は更新が多い)
  • ドライバ: GPUやWi‑Fiなどが正常に動くか確認(特にNVIDIA搭載機)
  • 時刻: WindowsとUbuntuで時刻がずれる場合は設定方針を決める

更新は以下が基本です。

sudo apt update && sudo apt upgrade -y
sudo apt autoremove -y

補足: 初回はカーネル更新が入ることがあり、再起動が必要になります。更新後は一度再起動して動作確認するのがおすすめです。

Step 6: UEFI / セキュアブート / BitLocker の落とし穴

デュアルブートで詰まりやすいのが、UEFI設定や暗号化関連です。特に最近のPCでは「UEFI + GPT + セキュアブート」が標準で、Windows側にBitLocker(デバイス暗号化)が有効なこともあります。

  • UEFIモードで統一: WindowsがUEFIで入っている場合、UbuntuもUEFIでインストールする(混在すると起動が不安定になりやすい)
  • セキュアブート: Ubuntu自体はセキュアブート対応ですが、NVIDIAドライバなどで追加の手順が必要なケースがある
  • BitLocker/デバイス暗号化: パーティション操作の前後で回復キーが求められることがある。必ず回復キーを確認・保管してから作業する

注意: ここはPCのメーカー・設定で分岐が多い領域です。確実に進めるなら「現状がUEFIか」「暗号化が有効か」を事前に確認しておくのが安全です。

Step 7: パーティション設計(おすすめの考え方)

「とりあえず未割り当てに入れる」でも動きますが、長く使うほどパーティション設計の影響が出ます。基本方針は以下です。

  • 最小構成: ルート(/)だけ作る。手早く始めたい人向け
  • おすすめ構成: ルート(/)とホーム(/home)を分ける。OS再インストール時にユーザーデータを残しやすい
  • Swap: 最近は「スワップファイル」が標準ですが、メモリが少ないPCやハイバネーションを使う場合は方針を考える

容量の目安は用途次第ですが、開発用途なら / は30〜60GB以上/home は作業データに応じて確保しておくと後悔しにくいです。ROS2/シミュレータ/コンテナなどを扱う場合、キャッシュやイメージで容量が増えやすい点にも注意してください。

Step 8: Windows と Ubuntu のデータ共有(安全にやる)

デュアルブート環境では「両方のOSから同じデータを触りたい」ニーズがよく出ます。ただし、Windowsの高速スタートアップが有効だと、NTFSが「休止状態」扱いになってUbuntu側から安全にマウントできないことがあります(Step 1で高速スタートアップを無効化した理由のひとつです)。

共有のやり方は大きく2つです。

  • 専用の共有パーティションを作る: exFATなどで共有用に切っておく。シンプルで事故が少ない
  • Windowsパーティションを読む: 便利だが、休止状態/暗号化/権限の影響を受けやすい

運用のコツ: “共有したいもの” と “OSが管理する領域(C:\WindowsやProgram Files等)” は分けて考え、共有は作業フォルダ(例: D:\work)に寄せるとトラブルが減ります。

Step 9: よくあるトラブルと対処の方針

デュアルブートのトラブルは「起動できない」「片方が出ない」に集約されます。焦ってパーティションを触る前に、状況を整理してから対処しましょう。

  • GRUBが出ない: UEFIの起動順でWindows Boot Managerが優先されていることがある。BIOS/UEFIのBoot Orderを確認
  • WindowsがGRUBに出ない: インストール時の検出に失敗している可能性。Ubuntu起動後にGRUB設定の更新が必要なケースがある
  • 起動後にWi‑Fi/GPUが不安定: まずはアップデート後の再起動、次にドライバ確認。NVIDIA搭載機は特にドライバが影響しやすい
  • 時刻がずれる: WindowsとUbuntuでハードウェアクロックの扱いが異なる場合がある。どちらに寄せるか方針を決めて設定

補足: 具体的な復旧手順はPC環境で差が出ます。最優先は「データを守る」ことなので、状況が不明なまま操作しないのが安全です。

Step 10: 運用チェックリスト(安定して使い続けるために)

最後に、デュアルブート環境を安定運用するためのチェックリストです。インストール直後に一度だけでも確認しておくと安心です。

  • 再起動して「Ubuntu → Windows」「Windows → Ubuntu」どちらの経路でも起動できる
  • 高速スタートアップが無効になっている(Windows側)
  • 重要データのバックアップ経路がある(外付け/クラウド)
  • Ubuntuで apt update / apt upgrade を行い、更新後に再起動している
  • Wi‑Fi / Bluetooth / GPU / スピーカーなど、最低限のデバイスが期待どおり動く
  • 共有データの置き場所(共有パーティション or 作業用ドライブ)が決まっている

ここまで整えば、あとはUbuntu側のセットアップを進めるだけです。開発用途なら、次は Ubuntuセットアップのコマンド集 を実行して、ツール類を整えていきましょう。

Step 11: Windows Update後にUbuntuが起動しない(出ない)とき

デュアルブートで地味に多いのが、Windows Update後に「いきなりWindows直起動になってUbuntuが選べない」パターンです。多くの場合、Ubuntuが消えたわけではなくUEFIの起動順(Boot Order)がWindows Boot Manager側に寄っただけです。

  • まず疑う: BIOS/UEFIのBoot Orderで Windows Boot Manager が優先になっていないか
  • 次に確認: UEFIのブートエントリにUbuntuが残っているか

Ubuntuに起動できる場合は、UEFIのエントリを確認できます(確認だけなら安全です)。

sudo efibootmgr

補足: Boot Orderの変更は環境差が大きく、誤ると起動不能リスクがあります。操作が不安な場合は、UEFI画面での手動確認を優先してください。

Step 12: GRUBにWindowsが出ない/エントリが更新されない

Ubuntuは起動できるのに、GRUBにWindowsが出なかったり、起動エントリが更新されないことがあります。まずは「GRUB設定の更新」で解決するケースが多いです。

# GRUBメニューを更新(Ubuntu起動後)
sudo update-grub
注意: grub-install やパーティション操作は影響が大きいです。データ保護を最優先し、作業ログを取りながら慎重に進めてください。

補足: 起動不能レベルの場合は、Live USBからの復旧(chroot等)になることがあります。無理に続行せず、状況をメモしてから調べる/相談するのが安全です。

Step 13: 開発機としての運用(更新・バックアップ・容量)

デュアルブート環境は「一度作って終わり」ではなく、運用で安定度が決まります。開発用途では特に、更新とバックアップ、そしてディスク容量の監視が重要です。

  • 更新の習慣: たまにまとめて更新すると差分が大きくなりがち。小さくこまめに
  • バックアップ: “消えると困るもの” をWindows側/Ubuntu側のどちらに置くか決め、バックアップ経路を固定する
  • 容量監視: Dockerやビルド生成物でディスクが急に減ることがある(開発用途の落とし穴)
# 更新(Ubuntu)
sudo apt update && sudo apt upgrade -y
sudo apt autoremove -y

# 空き容量(Ubuntu)
df -h

このあたりを“ルーチン化”できると、デュアルブートは開発機としてかなり強力になります。

Step 14: 既定OSとタイムアウト(起動選択を快適にする)

毎回GRUBで選ぶのが面倒な場合は、既定で起動するOSタイムアウトを調整すると快適になります。Ubuntu側から設定できます。

# 設定ファイルを編集(例: 既定OSと待ち時間)
sudo nano /etc/default/grub

よく触る設定項目の例は以下です(環境により最適値は変わります)。

# /etc/default/grub の例(概念)
GRUB_TIMEOUT_STYLE=menu
GRUB_TIMEOUT=5
GRUB_DEFAULT=saved
GRUB_SAVEDEFAULT=true

編集後はGRUB設定を更新します。

sudo update-grub

注意: 設定値を誤ると起動メニューの動作が変わります。変更前にファイルをバックアップし、少しずつ調整するのが安全です。